ディジタルリングリザバーとそのオンライン学習器の統合アーキテクチャに関する研究
吉田 広世
2022 年度 卒 /修士(工学)
修士論文の概要
本研究は、時系列データを扱う機械学習モデルとして近年注目されているReservoir Computingのハードウェアーキテクチャに関するものである。本研究では大きく2つの目的のもと進行した。1つ目は、Reservoir Computingをより実応用に近づけるという目的である。従来のリザバーネットワーク(Echo State Network)に時分割多重方式を取り入れ、ネットワークを小型化したモデルを考案しFPGAアーキテクチャを構築した。さらに学習器との統合やセンサーアプリケーションの創出を試みた。2つ目は、Reservoir Computing用高速オンライン学習器の実装である。ある特定の機械の異常検知には1𝜇sの分解能が必要であることから本研究では、1学習サイクルあたり1𝜇s以下を実現する高速オンライン学習器の実装を試みた。学習アルゴリズムはFORCE学習とし、バッファリングや並列アーキテクチャ、データフローによる転置演算の省略などのアプローチを行うことで1学習サイクルあたり0.96𝜇sの学習を実現し、従来の学習器より数千倍高速に学習可能なFORCE学習FPGAアーキテクチャを構築した。