動きベクトル推定を行なう高速撮像イメージセンサ-プロセッサ三次元集積システムに関する研究
森 政文
2015 年度 卒 /修士(工学)
修士論文の概要
高速撮像は人間では捉えられない世界を捉えることができるという利点から科学計測などの専門分野で用いられていたが、ADAS (AdvancedDrivingAssistantSystem,先進運転支援システム) 等の画像認識をはじめ現在ではあらゆる用途のカメラに必要とされる技術になりつつある。ここでいう高速撮像とは単に高フレームレートということではなく、画像解像度を低くすることなく、高画素かつ高速度で画像を読みだすことを指す。高速撮像カメラの問題としてイメージセンサとイメージプロセッサとのチップ間データ転送速度に性能が律速されるという点があげられる。このことがイメージセンサのさらなる高解像度化やイメージプロセッサの高速化および多機能化に大きな弊害をもたらしている。そこで本研究では、イメージセンサとイメージプロセッサのチップ間通信速度向上を実現する三次元集積システムおよび、この三次元集積システムがもたらす高速撮像環境を前提としたイメージプロセッサの処理として画像処理の分野で古くから研究されている動画中のフレーム間の画素の移動量をベクトルとして表現する動きベクトル推定をおこなう。これによりADAS等に向けた画像認識による異常検知のための動き推定処理を、人間の視覚系の時間分解能を超えるハイフレームレートリアルタイムでおこなうことを目指した。